コメント

映画『ネムリユスリカ』に寄せられたコメント

恐ろしいほどダークな作風の傑作。
驚くほど破壊的で残酷なストーリーだが、同時に見事なまでに完成されていて、
不穏に心を掻き乱す、観る価値のある問題作である。


病的なまでに美しい映画だ。独自のアプローチ方法を模索している映画作家たちにとって本作は、
優れた手本となりうるだろう。


まるで儀式のような苦悩の描写は、「裸の島」や「砂の女」のようなクラシック作品を思い起こさせる。
主演の平野茉莉子の圧倒的な演技力。


タブー視を直視に変えるかもしれない作品。
この違和感が、私の中にある「性」なのかも。


冷酷でダークな復讐劇に、この奇妙な家族の中に存在する強い絆と愛が温かみを加えている。


観ていて心が痛い…
でも、坂口監督のテーマは、いつも、川の字に寝る「家族」だ。


苛烈な映画。
1件の性犯罪を起点にして派生するさまざまな「人間の業(ごう)」を痛烈に描き出 す。
新自由主義経済を謳歌する「勝ち組」の連中に見せてやりたいけれど、彼らは見ようともしないに違いない。
ま、仕方ない。暗い話や人間の汚い部分を描く映画が嫌いな人には耐えられないだろうが、
私はこういう映画をこそ観たいと思う。何かと語りたくなることが多い映画だ。


この映画が伝えるのは、希望が見えない絶望的な世界の中で、
また復讐を渇望する状況にあっても愛と家族には恢復力があるということだ。
いかに劣悪な状況下であれ、目的が復讐という下劣な動機であれ、
絶対に人間としての尊厳を棄てない、根源に道徳を有した人々の生き抜く姿が描かれている。
見た人はこの映画を発見できて良かった、と間違いなく思うはずだ。


「闇を切り裂くは光」


これは、突然、見舞われた、直視しがたい出来事の塊のような物語だ。
自分の身に起きた、言葉にも表現できないような屈辱的な思い出と照らし合わせて見てくれたらいい。
表現不可能な暴力に対して、どのように戦っていったらいいのかが、一つの形として示されている。
もっとも身近で、もっとも深い問題に挑んだ作品である。


「家族と性」という禁断の領域に踏み込んだ傑作。
生まれたままの姿で、川の字に横たわる三人の家族。このシーンは、目を背けたいほど異様な美しさをたたえている。
あなたが観たものは、間違いなく「傷そのもののような映画」として、あなたの脳裏に長く刻印されることになるはずだ。